「新世紀エヴァンゲリオン-if-外伝 同人作家レイ 完結編」
作:尾崎貞夫
この作品は加藤喜一氏の原作『新世紀エヴァンゲリオン-if-』の設定を使用した外伝で、
前作「同人作家レイ 誕生編」の続編にあたります。
「それじゃ、締め切りは来月末になるけど、大丈夫?」
コダマはレイの作品を読んでいて存在を忘れていたウーロン茶を手にして言った。
「あの……何ページ書けば……」 レイは爪の間に染み込んだインクをシンジに見せない
ようにもじもじしながらコダマに問いつつ、反射的に返事してしまった事を今さらながら
に後悔していた。
「そうねぇ……多ければ多い程いいんだけどねぇ……」
コダマはレイの参加による売り上げUPを皮算用しながら答えた。
「ちょっと、レイは初めてなんだから、あまり無茶言わないでよ」
アスカがコダマの商業主義が鼻についたのか、激昂した。
「ちょっとアスカ……」
シンジはアスカの口ぶりが年上の人に対するものでは無いのに気を揉んだが、
実際の所 アスカがヒカリの所に良く遊びに行くと言う事は姉であるコダマ
とも昵懇の仲であるとまでは知らなかったようだ。
「それもそうね あまりに絵が巧いから期待しすぎちゃったの 書く書かないは
綾波さん次第だからね 強制するつもりは無いわ」
コダマは理性を少し取り戻したのか、レイに一言言ってから暑そうに手で首もとを
仰ぎながらぬるくなりかけたウーロン茶を飲んだ。
「ところで、ネタは何なの? まさか”やをい”って事は無いわよね」
シンジやレイに比べると同人誌の知識を持っているアスカがまるでレイのマネージャー
のように、半身を乗り出してコダマに問いただした。
「大丈夫よ 今度出す分は”やをい”じゃ無いわ 健全本よ」
コダマはあっけらかんとした表情で答えて、空になったコップを盆の上に置いた。
「”やをい”って何かな 綾波」
こうして漫画を書いたレイだから知っているだろうと踏んでシンジは疑問を口にした。
「私の買った本には 載って無かった……だから知らない」
レイは机の上の本棚に置いている入門書を指差して言った。
「ちょっと……コダマ……今度出す分はって事はこれまではやをい本出してた訳ね」
唯一事情が分かっているアスカは握り締めた拳を震わせて言った。
「あ……それは……その……言葉の綾って奴で……べ、別にシンジ君を勝手に題材にだ
なんてしようと思った事無いわよ……”攻”がいないし……はっ」
「あんたねぇ〜〜」 激昂したアスカをシンジとヒカリが何とか押さえつける等の
一騒動の後 ようやくレイが執筆する原稿の詳細が決定した。
オリジナルのラブコメモノで、ページ数は40ページ前後
締め切りは来月末と言うものである。
買い揃える必要のある物の相談を済ませたコダマはヒカリに連れられて帰っていった。
「買わないといけないのは、スクリーントーンと、ケント紙とトーンナイフと……
って結構多いわね……明日は日曜だし、三人で買いに行くしか無いわね」
アスカはコダマが書き記していった一覧をレイの机の上に置いて呟いた。
「うん……そうしようよ 重い物は僕が持つからさ」
シンジはレイの事で真剣に考えているアスカを見て、つい口元が綻んでいた。
「その……ありがとう……」
「さて……こんなに散らばってちゃ漫画なんか書けないわね レイ いらない物と必要な
物をより分けなさいよ 片づけを手伝ってあげるから」
アスカはレイからの礼が気恥ずかしいのか、話は終わりとばかりに片づけを始めた。
「僕も手伝うよ」
シンジはレイの机の上の空になったインクのビンに手を伸ばしながら言った
「シンジは晩ご飯の用意をする時間でしょ? ここは私達でやっとくから」
アスカは反故になったケント紙を持ち上げながら言った。
「わかったよ 何かあったら呼んでね」
シンジはインクの空ビンをビニール袋に入れて、レイの部屋を出ていった。
そして、翌日……
シンジ達三人はミサト経由でゲンドウから貰った現金を手に、先日レイが行ったと言う
古本屋や文房具屋へと続く裏道を歩いていた。
「ところで、どんなの書くか決めたの? レイ」 涼しげなワンピースを着たアスカが風
ではためく裾を気にしているのか、下を向いたままシンジをはさんで歩くレイに言った。
「この間のは模写だったからなぁ……綾波がどんなストーリー書くか楽しみだよ」
シンジもアスカに続けてレイに話しかけた。
「まだ……決まって無いの」 レイはアスカとシンジに左右から問いかけられ、
未だ内容を決めかねている自分を恥じているのか、小声で呟いた。
「ラブコメは私の漫画でかなり読んだじゃない あれのレイオリジナルのやつを書けば
いいのよ かーんたんよ」
「まぁ、締め切りまで時間はあるし、おいおい考えていけばいいと思うよ」
1時間程で必要な買い物を済ませて、帰途についたのであるが、
この時レイが思い詰めていた事を気づいてやれなかった事を
シンジとアスカは後に後悔する事になる。
一ヶ月後の土曜日……午後1時
「ただいま……」 レイはリビングに入って来るなりソファーに座りこんだ。
「おかえり 焼き飯温めるから座って待っててよ」
シンジは洗い物をしていたので、レイの表情に気づかず手を拭いて冷蔵庫にラップを
張ったまま入れておいた焼き飯を取り出し、電子レンジにセットした。
シンジがレイの昼食の準備をしている間もレイは押し黙っていた。
「あちち……ところで、コダマさんの所に行ってたんだよね どうだった?」
シンジは電子レンジから焼き飯の皿を取り出して、レイの方を向いた。
「コダマさんに何か言われたの?」 シンジはレイの顔色を伺いながらレイの前に
焼き飯が盛られた皿とスプーンと水の入ったグラスを差し出した。
「……」 レイは黙ってシンジに数枚の紙を手渡した。
半分程度はキャラクターの設定のラフ画で、もう半分はプロットのようだ。
そのどちらにも赤鉛筆で描かれたチェックマークが無残にもあちこちに書かれていた。
これまでにも数度指摘されてはいたが、今回程 キツく書かれていたのは初めてだった。
締め切りまで後一ヶ月と言う事でコダマが焦っているのかとシンジは思い、
本格的に書きはじめる前に世話を見ると言う事なので今日も学校の帰りにレイと別れて
レイをコダマの元に行かせた事をシンジは後悔しはじめていた。
「ま、まぁ初めてだったんだし、仕方無いよ 次頑張ればいいしね……ほら、焼き飯が
冷めちゃうよ」 シンジはレイがこのような形で落ち込んでいるのを初めて見て動揺した。
「オリジナリティの欠如! ステレオタイプすぎ! 絵だけじゃ売れない!
ったくコダマの奴 レイは初心者だってあれだけ言っておいたのに……」
少しして自室から出てきたアスカがコダマのチェックしたキャラ設定とプロットを見て
今にも洞木家に行かんばかりに憤慨した。
「コダマさんの言い方がキツイとは思うけど……それは綾波の才能を愛してるからだと
僕は思うんだ……僕が見ても綾波の描いたあの絵は凄いもん……だから、くじけずに
もう少しだけ頑張ってみなよ……僕も協力するからさ」
シンジは普段 自らレイに近づいたりはしないが、
落ち込んでいるレイを見てシンジは隣に座り、力なく膝に置いているレイの右手を取り、
まるで幼子に言い聞かせるかのようにゆっくりと話し始めた。
「ねぇ……レイ 別にそんなに思いこまなくてもいいのよ
適当に書けって言ってる訳じゃ無いけど、なんだか書かないといけないって脅迫観念
みたいなものに取り憑かれてると思うの……レイの好きなように書けばいいのよ」
アスカもレイの様子を見て、普段以上に優しくレイに接していた。
「書けないの……碇君やアスカがはげましてくれるのに……書けないの……」
レイは今にも泣き出しそうなか細い声で呟いた。
「ねぇ……レイの願望を漫画にしてみたら?」
アスカがふと顔を上げて言った。
「願望?」 シンジはアスカの言わんとする所が分からず怪訝そうに首を捻った。
「例えばこんな事したいとか、こんな風になったらいいな とか……あるじゃない
願望ばかりじゃ作品にならないかも知れないけど、漫画を書く原動力にするのよ」
「願望……私が願い望んでいる事………碇君」
レイは言い終えるや無意識の内に頬をうっすらと染めていた。
「こらこら何考えてるのよ……」
アスカは苦笑しながら、上気したレイの頬を軽くつねった。
「いけないの?」
レイは上気した頬をシンジに見られないようにアスカの方を向いて小声で呟いた。
もっともその上気した頬も小声もシンジに隠事は出来なかった。
「そのまんまじゃダメなの そういう気持ちを理解した上で書いてみたら?」
アスカは上気したレイの頬をぷにぷにと指でつつきながら笑みを浮かべて言った。
「そうしてみる」
レイは即座に立ち上がるや、テーブルの上に散乱していた資料を纏めて自室に走っていった。
「昼ご飯……まぁいいか また冷蔵庫に入れておこう」
シンジは苦笑しながらレイが手をつけなかった焼き飯にラップを張り、冷蔵庫に戻した。
こう と決めて走り出した時のレイは脇目を降らないし、邪魔をしたくなかったからだ。
「まったく世話が焼けるわね…… ま……まずはレイを対等の所まで引きずり上げて、
そして私が勝つ! そうエレガントな勝ち方を世間が私に要求してるのよ!」
レイに助言をした事が恥ずかしいのかアスカはソファーに片足を載せて叫んだ。
締め切りまで……後一ヶ月
「最終締め切りは30日……締め切りまで正味一ヶ月ね」
アスカはレイのマネージャー及び執筆スケジュール担当を自認し、
居間に吊るしているカレンダーに赤いマジックで印を入れた。
「NERVでの定期訓練予定日を言ってよシンジ」
「毎週火曜と金曜だから……7日 10日 14日……」
その頃 レイは自室でプロットを反故になったケント紙の裏に手書きで書き進めていた。
「願望……私の願望……」
締め切りまで……後20日
「碇君……おねがい……」
レイは下を向いてもじもじしながらシンジに懇願した。
「えぇ〜モデルぅ? そんなの出来ないよ……」
「あぁ〜ら 何でも協力するって言ったのは誰だったかしらね」
「アスカぁ……その手に握ってるデジタルカメラは何だよ!」
締め切りまで……後10日
「ちょっと シンジ! ベタはみ出してるわよ! とろいわねぇ」
「ご、ゴメン」
「シンクロ率が伸び悩んでるのも集中力が欠如してるからよっ」
締め切りまで…………後3日
「このままじゃ修羅場ね……ねぇ 明日の定期訓練休めないかしらね……」
アスカはすっかり自分の手のように馴染んだトーンナイフでトーンを削りながら言った。
「ミサトさんに言ってみるよ……父さんを利用すればきっと……」
シンジはホワイトで修正しながら力の無い声で呟いた。
レイは疲れも見せずにペンを走らせていた。
もうレイの眼に迷いは無かった。
そして締め切りの日…………
「で……出来たわよ……レイ……シンジ」
最後の原稿チェックを終えたアスカが真っ白に燃えつきて机の上に突っ伏した。
「アスカ……気を失った振りしてもダメだよ……誰かがこれを洞木さんの所に届けないと
いけないんだから……約束したように 僕とアスカでジャンケンだよ……」
「わかってるわよぉ〜」 最後のペン入れを終えるや寝息を立てているレイを見て
アスカは最後の気力を奮い立たせた。
「じゃ行くわよ 恨みっこ無しだからね じゃんけんポン!…………私ぃぃ?」
「もう8時越えてるし、晩ご飯作らないといけないから、頼むよアスカ……」
この家の主人 ミサトは昨日のシンジ達の訓練拒否の穴埋めとして、
リツコの危険なシミュレーターにおける人体実験をさせられていた。
「じゃ、行って来る……」
アスカは原稿を入れた袋を両手でしっかりと抱えて部屋を出ていった。
「ふぅ……ご飯の準備しなくちゃ……」 シンジは重い身体を引きずって立ち上がった。
「風邪でも引いちゃ明後日のコミケに行けないよ」 シンジは誰に言うでも無く呟いて、
机の上に突っ伏しているレイの背中にタオル地の毛布をかけた。
その時、窓から月光が降り注ぎ、疲れ切ったレイの身体を照らした。
「綾波……お疲れさま……」
「碇……君?」 月光が眩しかったのかレイは眼を覚まし、至近距離で見つめていた
シンジの存在に気づいた。
「眼が覚めたかい? ご飯の用意が出来たら起しに来るから、それまで寝ていなよ」
「いいの……少し眠ったから」
レイは背中にかけられていた毛布を手に取って言った。
「私の為に……碇君やアスカにまで迷惑かけて……ごめんね……」 レイはシンジとアス
カの作業用に用意した台の上に散らばる眠気覚ましの空びんを見て言った。
「迷惑だなんて、僕はちっとも思ってなんかいないよ……それどころか、
僕は嬉しいんだよ……綾波が自分で自分の道を見つけて 輝いていく姿を見るのが……」
「碇君……私……わたし……」 レイは感極まったのか、真珠のような輝きを持つ涙が
目尻に浮かび月光に照らし出された。 シンジはそんなレイが愛おしかった。
二日後の日曜日……
前日の土曜日は学校が休みの週だったので、三人は一日中泥のように眠りこけていた。
「何よ この人ゴミはぁ!」 アスカは建物の下に見える人の列を見て驚いていた。
サークル入場でしかも朝早かったので、どれだけ並んでいるのか知らなかったのだ。
「すごいね……けど、あれだけの人数の中で、何人が綾波の書いた漫画を買うのかな」
レイは窓に頭を押しつけたまま、立ち眠りをしていた。
「800部しか刷って無いから、それ以上に売れる事は無いわね」
コダマが作業を終えてシンジ達の元へ現れた。
「割と強気な冊数ね……普段は何冊刷ってるの?」
アスカはパンフレットに目を通しながら言った。
「普段は500って所ね……今回は冒険よ!」
「もしかして、綾波の漫画が入ってるから? でも今回が初めてだし……」
シンジが不安そうにコダマを見て言った。
「だーいじょうぶよ あなたたちの中学はもとより、高校にまで、
”あのエヴァンゲリオン パイロット”綾波レイが書いた漫画を載せるって
情報流したんだから……それにサークルカットには綾波さんのカットを使ったしね」
「それでも300の増刷ってのは……」
「あ、もう始まるわよ 売り子って訳じゃ無いけど、何があるか分からないからいてね
いい? お昼までに800部売り切るわよ!」コダマは自信に溢れた顔で宣言した。
開場の放送が鳴り響き、シンジ達はコーナーの後ろに待機していた。
「何か地響きが聞こえるんだけど……気のせいかしらね……」
アスカは遠くから聞こえる音に耳を澄ました。
「こっちのコーナーはオリジナル系多いからねぇ……多分別の館に殺到してるんでしょ」
コダマは缶コーヒーを飲みながら言った。
「なんだか音がだんだん大きくなってるんだけど……」
シンジも異変に気づいたのか廊下の方に視線を向けた。
次の瞬間 シンジ達のコーナーは人で埋めつくされた。
「練った意欲 冬号下さい!」
「綾波さんの書いた漫画 入ってますよね!」
「あ、綾波さんだ!」
他のオリジナル系のコーナーへのお客は少なく、押しかけている殆どの客が
綾波の書いた漫画の掲載されている同人誌「練った意欲」の購入希望者のようだ。
「アスカぁっ 売り子手伝ってぇ……」
コダマの予想を越えた人ごみにコダマは嬉しい悲鳴を上げていた。
「シンジ……レイがもみくちゃにされないように保護しなさい いいわね」
そう言ってアスカはコダマの横に走っていった。
「と、取り敢えず移動しよう……」
「え?」 シンジはまだ寝ぼけているレイを連れて客の流れとは逆の通路を利用して、
まんまと会場から抜け出す事に成功した。
「ふぅ……当分中には入らない方がいいね……」 シンジは両手に冷たい飲み物を手に、
海沿いのベンチに腰かけているレイの元に歩いていった。
「凄い人だったね……みんな綾波の書いた漫画が目当てだったんだよ 凄いね」
シンジはレイに飲み物を手渡し、自分も横に座って言った。
「だけど……エヴァンゲリオンのパイロットである私が書いた漫画を買いに来た人はいた
けど……私の漫画を評価して買いに来た人はいない……そう思うの」
ここ最近同人方面の知識はそれなりについて来たせいか、レイは浮かない顔をしていた。
「最初はそれでもいいじゃ無いか……綾波の漫画……面白かったよ
次からもまた読みたいって人がきっといるさ……ね……だから 自信持っていいんだよ
ずっと僕が応援するから……あれ……寝ちゃったのかな……」
レイはシンジの肩に頭を預け眼を閉じていた。
「僕も……まだちょっと眠いや……」
シンジはレイに肩を貸したまま眠りに落ちた。
だが、シンジの肩に頭を預けているレイの閉じた眼から涙が一筋流れているのに、
シンジは気づいてはいなかった。
数時間後……
シンジの携帯電話が無情にも鳴り響き、シンジは眠りから覚めざるをえなかった。
レイはいまだシンジの肩に頭を預けているので、シンジは苦労してレイの側にある上着
のポケットから携帯電話を取り出した。
「シンジ いつまで帰って来ないつもりよ! もうとっくに完売して帰る準備済んだわよ」
電話の向こうではアスカががなっていた。
「ごめん……今 会場の近くのベンチにいるんだ……綾波が寝入っちゃって僕まで……」
「いいわ、じゃそっち行くから」 電話は切れ、シンジはレイを起さないように、
携帯電話を苦労して元に戻した。
少しして、アスカとコダマが来た頃にはようやくレイも目ざめており、
未だ寝足りないのか眼を擦っていた。
「アスカ……コダマさん お疲れさまです」
シンジは引きつった声で挨拶したが、レイはきょとんとした表情を浮かべていた。
「ま、おかげで予定より早く完売出来たばかりか、通販の予約も沢山取れちゃったのよね
次回までは鋭気を養ってね」 コダマは綾波に原稿料を手渡して言った。
「もう……漫画……書きません だから……それ受け取れません」
レイはさっきまで寝ぼけていたとは思えぬ表情でコダマに宣言した。
どうやら、最初から結論を決めていたようだ。
「ど、どうしてよ 綾波さんのおかげで完売出来たのよ!?
次回は今回以上に売れる筈よ どうして辞める理由があるの?」
コダマは訳が分からないと言う顔で頭をかきむしった。
「私だけで……書けた訳じゃありません……碇君 アスカさん……みんなが私を励まして
くれたから書けたんです……碇君もアスカさんも文句言わず手伝ってくれる……
でもそれじゃダメなんです……碇君は自分で自分の道を見つけたって言ってくれたけど……
皆に毎回迷惑かけるんじゃ本当に自立した事にならないんです……
それに……私でも頑張れば出来る事がある……それが分かっただけで嬉しいんです。」
レイはシンジとアスカ そしてコダマに胸を張って言った。
シンジもアスカも何と言っていいのか分からず口を閉ざしていた。
だが、レイの成長を心から喜んでいるのは二人が今にも涙を流さんとしている事からも
明らかであった。
「そ……綾波さんの選択ですものね……ま、今回はページ数が多かったけど、
少ないページでならシンジ君達に迷惑かからないように書けるでしょ?
だから、気が向いたらいつでも言って来てね……
これは、あなたやシンジ君そしてアスカさんの努力の結晶よ だから受け取ってね」
コダマはレイの手に原稿料を握らせながら言った。
「さて、次回の構成を考えるとするか……じゃ、お疲れさま」
コダマは颯爽と潮風に吹かれながら去っていった。
「じゃ、そのお金で今夜 ミサトも連れてぱぁ〜っと焼肉でも食べに行きましょうか」
アスカはレイの手から原稿料の袋を素早く抜き取り、中身を確認しながら言った。
「そうだね……ミサトさんにも無理言ったし…… でも……いいの? 綾波」
手伝ったとは言え、漫画を書いたのは綾波である事を思い、シンジは問いかけた。
「私……肉食べられないから……ラーメンがいい」
レイは爽やかな笑みを浮かべながら言った。
「そうだったわね じゃ、私フカヒレラーメン大盛り!」
「じゃ、僕 ミサトさんに電話して置くよ」
三人は手を繋ぎあい、未来(あす)への道を駆けていった。
人間として更なる成長を遂げたレイ そしてシンジ アスカ……
彼ら 心優しき旅人に 幸多からん事を……
次回予告!
同人作家レイシリーズは 同人作家レイ完結編で文字どうり完結したかと思われていた!
だが、まだ終わっちゃいなかったのだ
その名も
”同人ゴロ レイ!”
カヲル「綾波レイ 僕と同人やらないかい?」
一度は捨てた筈のペンを握り締めるレイ
そしてシンジやアスカとの生活を捨て、レイは同人業界に首まで漬かりこんだ。
レイ「楽しく……漫画を書いていれば楽だったのに……」
カヲル「そんなぬるま湯みたいな生活にもう君は戻れないだろう それに……」
レイ「私に帰る所なんてもう無いのね……書くわ」
同人界を牛耳る黒幕が送り込む刺客との漫画10番勝負!
20行に一度の死闘が君を魅了する!
”同人ゴロ レイ” 鋭意執筆中!
(んな訳無いだろう)
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同人ゴロレイ執筆きぼーん
よくやったな・・シンジ
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ここに、何か一言書いて下さいね(^^;
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どうもありがとうございました!
同人作家レイ 完結編 終わり
同人ゴロ レイ 登場編 に続きません
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