「さ、そろそろ離陸のようよ シートベルトの確認は?エチケット袋の用意はOK?」
「え……もしかして凄く揺れるのか?」
「加速が凄いらしいわよ 私も始めて乗るんだけど」
アスカと一緒なら不安は何も無い……といいたい所だが、
俺は窓が空かない乗り物がどっちかと言うと……苦手なのであった。
そして、英語でのアナウンスがあり、俺とアスカの乗るSSTOは轟音と
凄まじい加速と共に大気圏ギリギリまで上昇した
短い間だったが、俺に取っては永劫の間のように思えたが、
アスカが手を握っていてくれたので、不安はあまり無かった。
「ほら見て見て 凄い」アスカが窓の外の風景を指差した。
遥か彼方では今夜明けを迎えているのだろうか 太陽が視界の隅で輝いていた。
俺はアスカの手を取り、この美しいがとても小さな世界を守り抜く事を決意した。
【変革を求める者】
第40話 「四人目の適格者 Bパート」
「ふぅ やっと人心地が付いたよ」
約3時間のフライトでネバダ州のNERVの支部の敷地内にある空港にSSTOは降り立った。
プラグスーツ等を含む各種装備の入ったトランクと身の回りの物を詰めた鞄で
両手が塞がっている為、注意しながらタラップを降りた。
俺程大きいトランクでは無いがアスカも両手に荷物を持っていたので、
一足先にタラップを降りた俺は荷物を足元に置いてタラップを上り、
アスカの荷物を一つ受けとってタラップを降りた。
そうこうしている内に職員が台車を突いてやって来たので、
俺は二人分の荷物を台車に乗せた。
そして、その職員の後をついて歩きながら俺はふとした疑問をアスカに投げかけた。
「なんか暗くなって来たけど、もう夜なのかな? 朝一で出発したのに…」
「日本とネバダの時差は マイナス17時間だから、日本を出発したのが10日の
8時でしょ 三時間かかってるから 本来10日の11時の筈だけど、そこから
−17時間逆算すると9日の18時だから もうすぐ夜って訳ね」
「はぁ……こっちはまだ9日なのか……不思議だな」
「一時間ぐらい前に朝食食べたけど、着いたらもう夕食じゃ無いのかしら」
「アスカがいてくれて良かったよ 俺だけじゃパニくってたと思う」
「そ、そう? あ、あれかしらエヴァを輸送するのは」
アスカは巨大な全翼機を指差して言った。 地平線が見えるんじゃ無いかと
言う程広い滑走路の多分隅の方にあるのに この位置からでも大きく見える
と言う事は相当大きいのだろう。
俺達は空港から車で15分程移動した所にある宿泊施設に到着した。
一見 普通の民間のホテルのようだったが、フロントの職員も日本のものとは
違うがNERVの制服を着ており、手続きの間 俺はぼーっと周りを見渡していた。
S2機関の搭載実験を取りやめさせたからこそ、ここネバダのNERV施設がこうして
存在している訳で、もし干渉出来なければ今頃この辺りは荒野になってた事だろう。
「私が507号室 繁智が503号室だそうよ 明日の朝8時半に迎えが来るそうよ」
手続きを終えたらしいアスカが俺の方を振り向いて言った。
「ああ 分かった」
空港からここまで案内してくれた職員にアスカは一声かけて、
俺達はエレベーターに乗った。
「ん?鍵は預かって来なかったのか?」
アスカが荷物以外には何も持っていないのに俺は気づいた。
「NERVのカードが鍵になるそうよ」
「そうか……ところで夕食は?」
「19:00に503号室に二人分運んで貰うように言っておいたわ」
何故 俺の部屋なのかと言う疑問が湧いて来たが、エレベーターが5階に到着した
ので俺は荷物を持ってエレベーターを出た。
「そういえば、俺達に護衛が付いてないみたいだけど、いいのかな」
俺は廊下を歩きながらふと疑問を口にした。
「ここはNERVの敷地内だからよ 私たちが本部にいる時には護衛が付いてこない
じゃない 同じ事よ けど準備はされてる筈よ チルドレン二人が訪米するんだし」
アスカがそう答えた時 俺はアスカに自分がチルドレンとして登録された事・
四号機のパイロットになった事を告げていないのを思い出した
恐らくは赤木博士が説明したのだろう……と その時俺は思った
「そういえば お金 ドルに両替しなかったよな」
自動販売機コーナーの前を通った時、俺は一つの疑問を口にした。
「お金なんか何に使うのよ ここはNERVの施設だし……あ これね
NERVのカードで行けるんじゃない?スロット付いてるし。」
「なるほど……ところで部屋に冷蔵庫とかはあるのかな?」
「冷蔵庫はあるかも知れないけど、一般のホテルじゃ無いんだから飲み物は
何も入って無いかもね 買っていく?」
「ま、荷物置いて冷蔵庫も確認してからにするか」
俺は両手に持った荷物を少し持ち上げて言った。
自動販売機から10歩もいかない内に503号室に辿りつき、
俺はアスカと別れてNERVのカードで扉を開けた。
照明はカードを通した時に灯いたようだが、
空調は動いておりほぼ快適な温度に保たれていた。
俺は二つの荷物を床に置き、靴を脱いでスリッパに履きかえた。
「8時半に迎えが来るんなら7時半には起きるようにするか」
俺は鞄から愛用の丸い目覚まし時計を取り出してセットしてベッドサイドに置いた。
「そういえば、冷蔵庫はどうなってるのかな」
俺はミニバーと兼用になっている冷蔵庫とカウンターがベッドのすぐ側の窓際にある
のを発見して手をかけようとしたその時、目眩いのような物を感じて手を止めた。
「ん……飛行機で高度差のせいで頭痛や目眩いがするって話だけど、今頃来たのかな」
窓際のソファに座って静かにしていたが、目眩いはすぐに収まっていた。
そして気を取り直して再び冷蔵庫を開けようとした時、俺は再び目眩いに襲われた。
「一体どういう事なんだ……」
俺は少し混乱しながらベッドに向かい横になった。
が、目眩いは一瞬で収まってしまい、俺は不審に思い部屋をうろついてみたり、
かがんだりして見たが、目眩いは起こらなかった。
「ちょっと冷たい物でも飲めば治るだろう」
俺は一端部屋を出て近くの自動販売機でスポーツ飲料の缶を二つ買って
自室に戻って来た。
早速買って来た内の一本を飲み 俺はベッドに腰かけて息を整えた。
「日本とは風土が違うからかな そういえばあまり水分補給してなかったな」
俺は目眩いの原因をネバダの暑さによる弱めの熱中症のような物だと断定した。
「ふぅ……アスカも後で飲むかも知れないし、冷蔵庫に入れておくか」
俺は買っておいたもう一つのスポーツ飲料の缶を手に立ち上がった。
そして、冷蔵庫の扉を開けようとした時、再び目眩いに襲われた。
「一体……どうなってるんだ……ん?」
よく見ると冷蔵庫が動かされた形跡が床の絨毯に見受けられた。
別の場所に冷蔵庫が置かれていたと思われるへこみがあり、
今冷蔵庫が置かれている場所 つまり俺のベッドの頭元の冷蔵庫周り
の絨毯はあまりへこんでいないのだ。
それに本来とは冷蔵庫が開く角度が違う置き方になっている事にも気づいた。
よくよく調べてみると本来の置き場じゃ無い為電源のコードの長さが足りず、
テーブルタップにコンセントが刺さっており、ベッドの下を長いコードが
張っていた。 明らかに不自然であった。
また、そのテーブルタップも必用以上に厚みがある事に俺は気づいた。
「こっちから調べるか……」俺はバーカウンターの上に置かれていたワインの
栓抜きを手に取り、ナイフの部分を引っ張り出し、TVを付けボリュームを大音量に
してから息をひそめて冷蔵庫の側に座り込み、ナイフの刃をドライバー代りにして
テーブルタップを固定している二本のネジを緩めていった。
今危惧している事が事実ならこのコードをコンセントから外す事も危険なので、
俺は感電しないように気を付けてテーブルタップの合わせ目にナイフを入れて
テーブルタップの表面を持ち上げた。
幸いにして 冷蔵庫のコンセントは角の部分に刺さっており、
冷蔵庫のコンセントも差したままの分解に成功した。
本来コンセントと言う物は至極単純な作りの筈で、普通の家庭では見覚えの無い
チップのような物が埋めこまれているのを発見する事が出来た。
これは恐らく盗聴器と共に、もし発覚した時に対象となる物を排除させないが為
に付けられた物だろう…… 恐らく冷蔵庫の中にはプラスチック爆弾が詰って
おり、ドアを開けるか コンセントを抜くか、遠隔で冷蔵庫の中のプラスチック
爆弾を作動させる為の物だろう 電気街で市販されているような盗聴器付き
テーブルタップにしては無理やり大きいチップを埋めこんでいる事からも明らかだった。
「アスカ……時間にはちょっと早いけど、今すぐ部屋に来てくれないか
それと来る時に もしあったらだけどあれを持って来てくれないかな
ド忘れで名前忘れたけど え〜と」
俺はアスカとの連絡を済ませ ベッドに腰をかけて再び息を整えた。
盗聴器が仕掛けられていたのは俺にとって逆に幸運だったかも知れない。
恐らく目標は俺だけの筈だから、アスカをも死なせる訳にはいかない筈だ
アスカがここに来るとあっては今すぐ爆発させる訳にもいかなくなるからだ。
さて、誰が俺の命を奪おうとしたのか……
チルドレンの候補は後三十数人ぐらいはいる筈だから、
俺を亡き者にしても何も困らないと踏んだのだろうか
アスカの足音が聞こえて来たので、俺はようやく張り詰めていた緊張の糸を緩めた。
・
今回はエシュロンに監視されてたら逮捕物のキーワードで検索してましたw
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ラブラブな展開と思いきや…
よくやったな・・シンジ
問題無い・・・
おまえには失望した
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どうもありがとうございました!
第40話 終わり
第41話
に続く!
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