天国と地獄 もしそのような物がこの世に存在するとすれば、ここにあるのかも知れない
願わくば昼までには意識を取り戻したい そう思った次の瞬間
俺はアスカにより強く締められ意識を完全に失ってしまった。

結局俺が意識を取り戻したのは姉さんが帰って来た12時半であった。
完全に意識をうしなっていた俺は鬼のような形相の姉に起こされたのだ。
アスカはアスカで俺が起こそうとした事を全然覚えていないらしく、
俺はその日の夜まで姉にからかわれ続けた。


【変革を求める者】

第35話 「死に至る病、そして Aパート」


 それは綾波レイの引っ越しが行われた週の金曜日の事だった……
俺はアスカと帰宅する為、校門から少し離れた所にあるベンチでアスカと
待ち合わせていた。 俺達のクラス内ではほぼ公認されているような
ものだが、他のクラスの生徒には俺達が同居している事や、付き合って
いる事を知られたく無いので、シンジ達を伴わない時は同時に校門を出ない
ように気を使っているのだった。

「それにしても遅いな……」時間をずらす為、委員長と雑談をするとの事で
あったが、もう俺がここに来てから10分程が経過しようとしていた。

何かトラブルでもあったのだろうかと携帯に手を伸ばしかけた時、
軽やかなステップで走って来るアスカの足音に気づいた。

「何かあったのか?」 俺は座っていたベンチから立ち上がって言った。
「んー それがさぁ 隣のクラスの 名前忘れたけど剣道やってる奴いたでしょ
この前の体育の合同授業であんたと張り合ってた奴」
「ああ 確か山井とか言う奴だったか 山井が何か?」
話が長くなりそうだったので、俺はアスカにベンチに座るように指差し、
自らもベンチに腰を下ろした。

「剣道部のOBで第三新東京市立二高の一年とか言う奴を連れて来たのよ
この前 剣道部に顔を出しに学校来た時、私見かけたんだって……
で、交際申し込まれたから、即答で断ってやったら、何か頭から蒸気出して
怒りだして……向こうは何故か断られるとは思って無かったみたい。」 

「それで、大丈夫だったのか?」大丈夫じゃ無かったら平気な顔でここにはいない
と分かり切っているものの俺はつい心配してしまっていた。

「付き合ってる彼氏も私も武道やってるから 余計なちょっかいしないでよねって、
鼻先2ミリに正拳突きやっちゃったら、青ざめたから さっさと逃げて来たのよ」
分かってはいるものの、アスカの口から俺が彼氏だと言われると、
何故か恥ずかしいような誇らしいようなむず痒さを感じた。

「まぁ、校内で問題起こすとも思えんし、学校の外なら警備もいるし問題無いだろう」
「そうねぇ……もし今度絡んで来たらマーシャルアーツの足技の恐ろしさを……」
アスカは足をぶんぶんさせた。 金的狙いをすると言う意味だと気づき俺は焦った。

「さて、遅くなったしそろそろ……ん?雨か」
座っていたベンチに大粒の雨粒がぽつぽつと降り注ぎはじめていた。
「やっばー 繁智折り畳み傘持って無い?」
「……今日に限って持って無い この間陰干ししたままだ」
「じゃ走らないと」
「ああ」
俺達は打ちつけるように振り出した雨の中を小走りで家路についていた。

「ただいま〜 って 姉さんも父さんもいないのか」
「ふぅ〜 天気予報では雨振るなんて言って無かったのに あ先にシャワー使うわね」
「ああ そうしろよ」 俺はワイシャツを脱ぎ、玄関先で絞っていた。
シャツまでじっとりと濡れていたが、いくら室内とは言えそれを脱ぐのは憚られた。

俺はテレビを付けて再放送の青春ドラマを見るとは無しに見ていた。
「お先〜繁智もシャワー浴びて来なさいよ」シャワー上がりの身体にバスタオルを
巻いただけ と言う刺激的な格好で居間に現れた。

「あー冷たぁ〜」
手にしていた棒状のアイスを食べはじめたアスカは自分の格好に自覚が無いのか……
俺は内心少し焦りつつ シャワーを浴びるべく浴室に向かった。

「あ、そうそう これの半分が冷凍庫に入ってるから上がったら食べたら?」
アイスを持って振るアスカの胸元はタオルがはだけ初めていて、俺は一瞬硬直した。

…………俺はお湯では無く 殆ど冷水のシャワーを浴びて自分を落ち着けようとした。
シャワーを浴び、Tシャツとジャージ と言う俺のいつもの部屋着を着て居間に戻った。
「おいおい……頼むよアスカ……」
TVを付けたままソファーでうたた寝をしているアスカを見て俺は呟いた。

俺と違い熱いシャワーを浴びたせいか、はだけた胸元には大粒な汗が浮かんでいた。
俺は慌ててずれていたバスタオルをアスカの双丘にかぶせたが、掌にアスカの乳○
を感じ、慌てて後ろずさった 

「挑発してるんじゃ無かろうな……」 だが本当に寝ている可能性もあるので、
俺は薄手のタオルケットを寝ているアスカの身体にかけてやった。

そして俺は二階の自分の部屋に上がった…………

結局父さんが帰宅するまでアスカは寝ていたようで、
後で何故起こさなかったのかとアスカに小一時間問い詰められてしまった。
そんな事書くからCQ値高いって言われるんだよな 鬱

そして、翌日の土曜日の午前10時半……

「繁智〜 私 ハーモニクステストに行って来るから」
「昼頃には終わるだろう? 一度顔出すようにリツコさんに言われてるから、
その頃に迎えに行くよ」 次の使徒襲来の時の為の相談に行く予定だったのだ。
「了解〜」 そう言ってアスカは迎えの車に乗り、NERVに向かっていった。

俺は一時間程自分の部屋で宿題と来週の予習をしていた。
「ハーモニクステストか……ん? ハーモニクステスト?」
俺はようやく紅い海での情報を思い出した。 ハーモニクステストでシンジが
アスカを抜き、その直後の使徒襲来で独断先行したのでは無かったのか と

俺は慌てて外出用の服に着替えて家を飛び出した。
そして、恐らくは近くにいる筈の護衛の車を探している時、
第三新東京市の風物詩 非常事態宣言が出され住民の避難が始まった。

シェルターに向かう人の群のせいもあり、俺は護衛の車を見つける事が
出来ず、携帯電話に手を伸ばそうとした時、俺の目の前の路上に複数の影が差した。

「おまえが吉田って奴か?」木刀を手にした市立二高の制服を来た男が一歩前に出た。
「ええ そうです」隣に立っているのは隣のクラスの山井だった。
他にも4名私服を来た男が木刀を手に俺をじわじわと取り囲もうとしていた。

「おい 今の状況が分かっているのか? 使徒が接近しているんだぞ!」
「好都合だよ 殆ど皆シェルターに隠れたし 邪魔する者もいないしな」

「くっ……」早くNERVに連絡して、今回の使徒の虚数空間とやらの話を
しないといけないのだが……さすがに6対1では包囲を抜けて逃げる事は難しい。

「俺を闇討ちして、アスカがおまえになびくとでも思っているのか?」
こうなったらこの集団の頭を潰すしか無い 俺はそう思い挑発を始めた。

「うるせぇ〜 おまえさえいなければ!」そう言って山井の先輩とか言う男が
木刀を振り下ろして来た。

人間の敵は人間 と言うのは誰が言った言葉だったか……そして乱闘は始まった。




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どうもありがとうございました!


第35話 終わり

第36話 に続く!


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