「ただいま〜 遅くなっちゃったわね あーいい匂い」
「お邪魔します」
「ここがミサトの部屋? 意外に片づいてるじゃない」
「シンジがマメに片づけてるんだろう」
「なるほど そっか」
「ちょっとちょっとぉ まるでそれじゃシンジ君が保護者みたいじゃ無い」
玄関の辺りが賑やかになったので、僕は立ち上がり皆を出迎えた。
【変革を求める者】
第33話 「嘘と沈黙 Fパート」
(外伝と話がクロスしてますので読んでおいて下さい)
「んじゃまぁ 適当な所に座ってちょ」
ミサトさんはそう言って受けとって来た服を手に恐らくは自室に消えていった。
「ほんとにいい匂いね アンチョビならドイツでも食べたけど、
イワシのハンバーグなんて初めて食べるわ」アスカが鼻をくんくんさせて言った。
「確かに急に腹が減って来たような……」
「……いらっしゃい」キッチンからペンギンを抱いた綾波が現れて言った
「あら、レイ その子がペンペン? 私にも抱かせてよ」
ミサトさんの昇進祝いの時は冷蔵庫で寝ていたそうで、直に見るのは俺も始めてだった。が、シンジからその存在は聞いていたので、俺も興味深くアスカに抱かれるペンペン
をほんわか と見つめていた。
「何か手伝う事無いか?シンジ 飲み物とか足りてるかな」
俺は立ち上がり、キッチンで忙しそうにしているシンジに話しかけた。
「あ、吉田君 ありがとう そうだね ペットボトル入りのジュースか何か
買って来て貰えるかな? イワシのハンバーグと鯖味噌がメインだし、
烏龍茶の方がいいかも……両方でもいいけど」
「わかったよ 近くに酒屋あったよな? 来る時見たよ」
「ちょっと遠いけど、あそこならミサトさん御用達だから 税負けてくれるんだ」
「了解」 俺はそう言ってキッチンを出た。
「ちょっと飲み物買って来るよ 何かリクエストあるかな?」
俺は綾波とアスカに話しかけた。
「特に……」綾波はさしたる反応も見せずに、
再び綾波の膝に移ったペンペンの頭を撫でていた。
「私もついていこうか?」
「お皿並べたりとか手伝う事あるかも知れないから、俺だけで行くよ」
アスカは少し未練を残しているようだったが、そう言って俺は玄関に向かった。
エレベーターは2分程で上がって来たので、俺はそれに乗り込み 背中を壁に預けた。
よく考えたらいつも家の中でアスカといるし、出かける時には大概一緒に行動している
から単独で行動するのは久しぶりかも知れない……
エレベーターを降りた俺は来た時の道順を思い出しながら歩き始めた。
もうすぐ酒屋に辿りつくと言うその時
俺はカーブミラーに偶然映った黒服の男に気づいた。
「あれはアスカの護衛じゃ無かったのか?」
俺は内心そう思いつつも平静を装い、酒屋の中に入っていった。
そして、入り口の近くで商品を選ぶふりをして、
俺は黒服の男が隠れている位置を確かめた。
中肉中背でサングラスまでかけた黒服の男など見分けが付く筈も無いが、
いつもアスカと行動している時に護衛している一人だと俺は直感した。
そして、俺は手早に商品を選び、店の親父に話しかけた。
「葛城さんの知り合いなんですが……裏口貸して貰えませんか?」
「ああ……いいけど…… 何か面倒な事でも起きてるのかい?」
「杞憂だとは思いますけど、尾行は撒いておきたいんで……」
俺はペットボトルの烏龍茶とパインジュースの料金を支払って言った。
俺は酒屋の裏口から出て道を少し迂回して黒服が立っている男の背後に気づかれずに
近づく事が出来た。
まだ店内から出て来ないのに焦れたのか、
恐らくは煙草が入っているポケットに手を差し伸べた時、
俺は黒服の男の首を背後から右腕で素早く締めた。
「何故 俺を尾行してるんだ? アスカならまだ部屋の中だぞ?」
そう言って俺は男が喋れるように少し締める力を弱めた。
「NERV諜報三課のものだ……任務で行動している……右のポケットにカードが」
途切れ途切れの声で黒服の男が呻いた。
俺は男の背広の右ポケットをさぐり、紅いカードを取り出した。
「諜報三課 石川カズヒロ 間違い無いようだな 加持さんは何課なんだ?」
「加持氏は特殊監察部だ 直接の関係は無い」
それを聞き、加持さんの指示では無い事に俺は気づいた。
俺は紅いカードを男の右ポケットに戻し、自分の携帯電話を取り出した。
「直接赤城博士か葛城三佐に尾行の理由を聞いてもいいが、それだと石川さんの
失点になるんじゃ無いですか?」
男……石川カズヒロは少し考えてから頷いた。
「じゃどういう命令が出てるのかを聞かせて貰いましょうか 余人には話しませんから」俺は右腕を緩めたが、もし懐の銃に手が伸びるようなら再び締める事が出来るように、
完全に腕を首から抜きはしなかった。
「上司からは、近々チルドレンとしての登録を受ける、チルドレン候補だからと聞いて
いる……三日前から護衛している」
「三日前から……てっきりアスカの護衛だと思ってましたよ そうか三日目にして
ようやく単独行動したから発覚したと言う訳ですね……」
俺はようやく納得し、首に回していた腕を離した。
「ケフっ 君には護衛など必用無いのかも知れないがね」
石川氏はようやく自由になった喉をさすりながら呟いた。
「それは買いかぶりすぎと言う物ですよ この距離なら銃を出されても跳ねとばす
自信がありますけど、混雑してる駅とかで背後から狙われたり、狙撃されたりしたら
どうしようも無いですよ だから、その方針で護衛して欲しいですね」
俺は電柱の側に置いていたペットボトル入りの袋を持ち上げて言った。
「善処するよ」 俺が歩きはじめると石川氏はそう言って再び間を取って歩き始めた。
素性がばれたにも関らず護衛を続ける石川氏を見て俺は苦笑した。
「チルドレン候補か……じゃアメリカからエヴァの三号機か四号機でも引っ張るのかな」
まがりなりにも平和な日常…
それが音を立てて崩壊して行くかのような予感を俺は感じた。
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諜報部苛め開始ですか?と言ってみるテスト
今回も短いな……手抜き?
よくやったな・・シンジ
問題無い・・・
おまえには失望した
ここに、何か一言書いて下さいね(^^;
内容確認画面を出さないで送信する
どうもありがとうございました!
第33話 終わり
外伝1・Cパート
に続く!
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